桂之助への手紙

 

 

1. たまらない程 故郷のことが なつかしく感じる時がある

  帰れないようになればなる程に 景色さえ忘れていく内に

  いつかしら心は故郷をめぐる

  野原かけめぐったあの若さのしなやかさで

  決して忘れはしない 遠い心の故郷

 

 

2. 見上げる空にちりばめられた やさしく光る星たちや

  きれいな赤に海を染めていく 夕陽が胸から離れない

  まぶた閉じればおぼろに浮かんでくるよ

  故郷の海が 山が 空が 星が 友達が

  きれいごとだけ並べた手紙をお前は笑うなよ

 

3. 話し言葉で故郷言うのは 楽なことだと言うだろう

  暮らしていくのはどこを選んでも 違わないものだと言うだろう

  だけどお前はいつまでもそこにいて

  変わっていくあの街の香りを伝えてくれ

  こうして遠くの街で暮らしを重ねる俺にも

 

  俺にも...