12月27日(金)

 

丘の上から・・・

 我が家のすぐ裏には、高知市の浄水場がある。小さい山の半分を浄水、水源施設として使っていて知る人ぞ知る「隠れ桜の名所」だ。通称「水源池山」。毎年3月終わりから4月初めの桜の時期には「隠れ」とはいえ沢山の花見客が訪れる。しかし、高知城のような会社がらみ店がらみその他もろもろの賑わいではなく、ここに来る人たちは、家族連れ、サークルの集まりといった感じで、大人のハメ外しのような場面も少ないから、そんなことがあってもそれも愛嬌のようなものでなかなかいい花見スポットになっている。もともと僕の土地だったのだが、広く皆さんに使ってもらいたいと思って放っておいたら、そういうことになっている。(と思うことにしている。これだけで僕は素晴らしい財産持ちだ!!。そういう意味では日本も地球も宇宙も僕のものなんですヨ(^.^) )僕なんかは地元だから、いつでもこれるという余裕で、飲みすぎず騒ぎすぎずのユッタリとした花見を決め込む。気分で半日ぐらいホーッとしながら桜のピンクに溶け込む感じ。ボーッとじゃなくてホーッとするのだ。あの人にもこの気分を教えてあげたいなと思うと招待することもある。なにしろ僕の庭だから「招待する」のだ。

 この水源池山の花見スポットの部分は丘状になっていて、この丘の上の方から満開の桜の海を見下ろすような場所がある。僕がワードで作った領収書にはそこから撮った写真を透かしで印刷している。この領収書を使いたくてしょうがない。でも、世間では自営業者は領収を切らないで済めば切らないで済ましたいというイメージがあるのか、「領収切りましょう」と言うと「いえいえ、結構です」の返事が返って来る。「じゃあ、僕の領収書、見るだけ見てもらえます?」。なんかヘン?

 今日の朝はその丘に上って、広く高知市内を見渡しながら大きな大きな息をしてきた。季節が違うから、その丘はほとんど僕の独占状態。東の方を見る。1年前まで勤めていた病院がある方向。今の仕事を始めてからあの病院時代の伝で入った仕事もあるから、あの方向へは足を向けて眠れない。西の方を見る。こちらは今何台かのノートの注文をもらっているS病院のある方向だ。素敵な協力者のTさんとIさんがいるから、これからもお付き合いは増えるだろう。じゃあ、こちらにも足を向けて眠れない。ということは、今の僕は南か北に足を向けて寝たらいいのか・・・。

 よし、来年の目標はこれだ。南や北にもお客さんを作って、僕は立って寝るようになればいいってことだ。時々高いところに上ると、こういう真理(?)に行き着くものだ。

 もう一度、両手を広げ大きな息をして空と大地とその先にある全てのものを抱きとめたような気持ちになった僕を、その丘に昔から立っているらしい大きな大きなせんだんの木が見下ろしていた・・・。