7月23日(水)
工事現場にて
さあ、今日は頭を打たないようにしなくちゃ。天気も、降らず照らずのちょうどいい感じ。いつもの夏に比べれば昨日だってまだましだったけどやっぱり暑かった。その点今日は、降りそうだけど絶対降らない、という空の意思が伝わって来るような曇り空。おまけに7階建てのさらにその屋上は結構な風も吹いてるしでしのぎやすい天気だ。
昨日からカラタチさん経由の仕事で、とある大病院のビルの建設現場に入っている。老眼で見ても絶対見える大きな大きな立体型の文字看板を屋上のさらに上にある塔屋(機械室や冷暖房の大型の室外機とかがある施設)の壁面につける。老眼で見えても、看板が大きすぎるのといくつものパーツに分かれているので結局字は読めなかったりするんだけど・・・(^_^;)
「壁面に付ける」と言うとまるで自分が重要な仕事をしてるみたいだけど、そこはそれ、僕はこの世界は専門じゃないからものを運んだり、「そこ抑えてて」に対応したり、看板にボルトナットをつけたりの手伝い要員。やることなすこと初めてのことばかりだし業界用語が分からないからいちいち聞いては「あぁ、そうなんだー」の人。今回はボルトとナットの扱い・・・流さの調整とかキッチリ閉める要領とかが分かって得した。元々ナンデモ屋の便利屋気質だから広ーく浅くで気がついた時にはちょっとしたことならやってしまうようになる。そのかわり「ちょっとした」からさらに深くはなかなかならない。この便利屋感でなんでも背負い込んでしまって前の仕事でもわざわざ忙しさを呼んでたような気がする。病院にいた時の最後の1年はそれこそこういう増改築工事で病院側の人間としてバタバタしてたっけ。
手伝いという立場を利用して作業をしながら人間観察。工事現場にはいろんな職種の人がいる。以前は工事現場というと荒くれものが声を張り上げてというイメージだったが、実際のところは極めてやりとりが紳士的。遠く離れた場所との連絡は携帯を使うし、大事なことは監督をとおして進めるから違う職種間の調整もきれいだ。
印象に残ったのはコンクリートを流し込む型枠の職人さん。60歳から70歳の間?なにしろ作業が早い。手順がしっかり決まってるということもあるのだろうが、電動ノコギリで材木を切り釘でつないで枠を作りコンクリを打つ場所にはめていく作業のはやいこと。表情も明るく冗談も忘れずに作業を進めていく。
それともう一人は現場の入り口でてきぱきと工事車両の交通整理をしているこれまた70歳ぐらいのガードマンのおじさん。挨拶は気持ちいいは、笑顔は絶えないは、車の移動とかの指示はてきぱきしてるはでイキイキしている。
70歳ぐらいになると特別な病気とかじゃなくても、寄る年波で病院のお世話になったりする年頃。その病院の工事の現場で元気に働くおじさんたち。あれは老人じゃない。あのイキイキ感は少年と呼んでいいのかも知れない。
先週の大道具からここのところずっとパソコンと離れているが、汗をかいて、いろんな人も見て、これはこれでいつかいい風景となって心に残るんだろう。今週の土曜はまた肉体仕事があるし、許された明日、あさってはしっかりパソコンの前に座ってやろう。