10月21日(火)

ニュース

 僕はテレビや新聞のニュースが嫌いだ。はっきり、しっかり、くっきりと嫌いだ。

 暗いニュースが多過ぎる。これは暗い事件が増えたからじゃない。少年犯罪の報道がやたらと増えたけど、少年犯罪自体は統計的には減っている。マスコミの姿勢の問題なのだ。目の向けどころが暗いほうにばかりいっている。そして、世間の気持ちがますます暗くなっていく。

 この8月ごろから僕はニュースを意識的に避けるようになった。テレビも新聞も暗い話からは目をそむける。常識なんかなくても結構、なんにも知らないで結構。

 そこへ来てはじまった短大での「医療秘書総論」なる講義。去年考え付いたアイデアで、僕はインターネットで医療関係のニュースを集めて、講義の中でそのニュースのことを解説しながら医療の感じとか病院の感じとかを伝えて行く。今、テレビとかで騒がれているニュースを教材に説明するから結構いろんなことを伝えやすい。

 そんなわけで、ここしばらく避けていたニュースの世界に触れることに・・・。調べ始めてげんなりしてしまった。やっぱり暗い話ばかり。これじゃ子供たちが医療の世界に行きたくなくなってしまう。

 鹿児島で脳死判定された人の話。この話には二つの「初めて」がある。この方は自分にもしものことがあったら自分の臓器を提供する意思を示すドナーカードを持っていた。そして今回ドナーになったのだが、この方自体が、腎臓の提供者がいたら自分に腎臓を提供して欲しいという登録をしている人でもあった。これはこれまでで初めてのこと。自分の痛みが分かる人は人の痛みも分かる。

 そしてこの方のすい臓をもらった人は、今回で2回目の移植手術。1回目は不首尾に終わり、もう一度すい臓の移植を受けることになった。これも初めてのこと。

 助け合い、生かし合いということで、つらいながらも医療ミスの話よりはこの話がいいと思ったのだが、ニュースを追いかけるとあとになって問題点とかも出てくる。脳死判定の際に、基準となっている血管中の酸素濃度以下の状態で自発呼吸の有無のチェックがなされていた。ああ、どうしてこうなるんだ?

 明るいニュースをもっと!!