6月26日(土)

Tさんは「Delete」がお好き

 「事務長さん、私、この前やったこと全部抜けてますから」

 Tさんの第一声。おまけに午前中は看護協会のリスクマネジメントに関する講習を受けにいってその余韻から抜けきらず、今日のTさんはうわの空。

 こりゃいかん。まともにやってたらTさんの天然ぶりにこちらが潰れてしまう。こちらもユルイ方へモード変更。

「うん、いいです。今日はヨシとしましょう。僕のいうとおりにやったらいいから。覚えようなんて思ったらダメですよ。とに角言うとおりにやって下さい。それでなんにも残らなくてもいい。今日やったことは自覚はなくてもいつかまた役に立ちますから。」

「でも、&%)’&%を’()・・・・・・・・・」

 なんのかんのと口答えしながら今日は飛び切りの天然モード。どうもTさんは「Delete」が好きらしい。

 今まで入力した文字を消すのに左向きの矢印キーと「Delete」キーを何度もチョンチョンと行き来しながら消している。その動きのリズミカルなこと。オイオイそういう時は「Backspace」でしょう。

 エクセルのオートフィルを使って簡単に大量な入力をし、その選択状態を解除するように言うと、Tさんの指は迷わず「Delete」に向かって行く。オーイ、みんな消えちゃうヨー(^^ゞ それに何度もやるなヨー!

 今日はなにかと「Delete」を押したがる。きっとなにか消去してしまいたいことがあるんだろうなー。

 そして、なにか指摘されるとブウブウと文句だけはいうのだ。

「そんなこと言ってる間にひとつでも先へ進んだらいいんだよ。それで、ダメなら、ず〜〜っと、僕を利用して下さい。そしたら僕の仕事はひとつ確保できたようなもんだ。ラッキー!」

 そんなわけでTさんは僕のお得意さまです(^.^) ちなみに「今日は随分日記のネタをもらったな」と言ってあるのでこの文章は問題ありません。クレームが来ても「Delete」しません。

 今日作ったエクセルの表、Tさんにしたら「自分にはこんなことは当分できっこない」と思ってたらしい。それが集中力ゼロの状態で形になったのにキツネにつままれたような少し嬉しいような表情はよかったな。

 でも彼女はしっかりと次回のための予防線を張った。

「事務長さん、私、何にも分かってませんから・・」