7月17日(土)

キラクに

 こんなまじめな顔つきの生徒達は初めて見た。トアル短大、今日は変則で「医療文書実務」なる僕の授業のテストの日。

 去年の授業ではレポートを出してもらった。もともと教育畑の人間じゃないからテストの作り方もピンとこないし、落とすため、評価するためのテストなんて無意味と思っているところもある。実社会に入ったら、いかに目標を達成するかが大事で、そのためには自力にこだわるより、いかに他の人とのコミュニケーションをとって早く確実に成果を出すかの方が大事。だから、自由に時間をかけてやってもらおうと思った。しかし、それが災いしてなかなかレポートが出なかったり、その他のことで成績を出すまでに結構、日を引きずってしまった。『こんなことは一気に済まそうよ、一気に!』だから今年はテストだ。

 今回用意した課題は、まだ未完成のパワーポイントを、自分ならどうするか実際にアレンジをしてもらう。たった1時間では出来ないこともあるだろうから、自分はこの発表をどう見て、どうしたかったのか、別途手書きの紙も付けてもらう。答がひとつしかないというタイプのテストではない。最後の最後まで「思い出す」のではなく「感じる・考える」ということを要求したい。

「僕のテストは、人の迷惑にならない程度にはして欲しいけど、隣と相談してもいいよ。」

 これ程寛大なテストもなかろうに、みんな真剣。いつもと違う。時々感じたことだけど、評価とか点数という言葉が出ると真剣になる生徒たち。これまでそういう教育(育て方)をされて来たんだろうな。いい点数もいいけど、日々の授業の中から役に立つ技や考え方を身につけることの方がよっぽど価値があるのに。

 先生と呼ばれる人間がこんなこと言っていいのか。でも言ってしまおう。

「みんな、もっと気楽にやろうよ。キラクニー!!」

 でも、ある意味そういうみんなの顔つきを見れたのも良かったかな・・・(^.^)