2005年4月30日(土)

影絵の阿波踊り

 4月30日、5月1日は大道具仕事で徳島へ。もともとは、この前、姪の結婚式で行ったばかりの姫路に行く予定だった。だが、予定は未定。先方のスケジュールの都合で徳島に変更。今回の舞台はバレエだ。

 「行くわヨー!ソーレーッ!!」

 って、それは『バレー』だ。バレーボール・・(-_-;) 今回のはバレエ。「白鳥の湖」とかのバレエ。

 朝、5時半過ぎに家を出て、6時に舞台家正木さんと落ち合い、一路、徳島へ。行くわヨー!ソーレーッ!!  まだ言ってます(-_-;)

 眠かった。こわいほど眠かった。正木さんにも断りをいれ何度かサービスエリアで休憩を取るがどうにもならない。やたらとヒカリがまぶしくて眠い。運転に自信がないことに自信がある僕としては、どんなにしんどい時でも運転中は緊張が解けないと言うのが今までの僕の自己像だったのだが・・。

 中学・高校の頃の、給食のあとの5時間目、もう、どうしようもなく眠たくて、やたらとヒカリがまぶしくて・・、我慢するけどどうにもならない、あの感じ。

 徳島にはなんとか無事についた。

 疲れがたまっているのか、リズムがこわれているのか・・。

 眠気覚ましのコーヒーに睡眠薬が入ってたとか・・。

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 日舞で始まった僕の道具仕事。その日舞でさえ駆け出し気分が抜けない。バレエはさらに「なにをか云わんや」だ。

 気を入れたくて、何度も搬入口に行き、タバコを吸う。今回の小屋は徳島市「郷土文化会館ホール」。ゴールデンウィークの催しラッシュなのか、搬入口のすぐ近くにある野外ステージからは今式のPAから、沖縄のエーサーやら、徳島の阿波踊りやら、行くたびにいろんな音が聞こえてくる。

 みんな生でやっているのだが、時代が今だから、それをアンプで増幅し、手馴れたアナウンサーなども配置して、いつでもどこでもテレビで見れるような催しが、大騒ぎしながら繰り広げられている。あまり、心は動かない。

 夕方、あたりの人影も少なくなり、照明に照らされるでもなく、大音響のPAを通すでもなく、その野外ステージのほうから阿波踊りの音が流れていた。

 行ってみると・・。

 黒いシルエットでくりひろげられる阿波踊りの世界。どこかのチームが催しの済んだ野外ステージで、練習をしているらしい。

 生の太鼓や三味線や笛に乗って、影絵の阿波踊りが繰り広げられる。ひとりひとりの体形も、阿波踊り独特のひょうきんな中にも確固とした意思を感じさせる踊りも、黒い影絵の世界。僕だけの阿波踊りを見たような気がした。

 そうか、ここは徳島なんだ・・。