2006年2月6日(月)

冷たい雨

 ♪冷たい雨に打たれて〜 街を彷徨ったーの〜♪

 ユーミンの「冷たい雨」の雨はこんな雨だろうというような冷たい雨の一日だった。

 彷徨ったのは宇佐の町。街じゃない。設定仕事2件。

 でも、家もすぐにみつかったし、お客さんとの会話も温かかったし・・。

 2件目のK保さんのお宅では、「私は機械のことは分からないので・・」とおっしゃるお母さんと風邪で寝てるお孫さんがいた。ネットの申し込みをされたお嫁さんは仕事に出ていて、こまかいことは分からない。

 お母さんはこの雨の中を来た事に心からのねぎらいの言葉を下さった。そして、プロバイダからのIDとパスワードの用紙が用意されてなかったのを、僕が来たことを無駄足にさせまいと必死で探して下さる。お嫁さんは仕事中で携帯がつながらない。

 これだけしてもらえると、もう一度出直して来るとしても負担には思わない。気持ちひとつでなんとでもなるものなんだなぁ。そう思ってたらお母さんはそれを見つけ出して来てくれた。

 通常の設定はすぐに済み、次は無線内蔵のNTT純正ADSLモデム。

 「これ、はじめて触るものなんで少し手間取るかも知れませんけど・・。」と言いながらも思いの外スムースにつながる。

 「まあ、もう済んだんですか、まぁまぁ。」

 あたたかいコーヒーを出して下さった。

 「簡単に説明だけしておきますので。」

 「いや、私が聞いても分かるろうか?」

 「大丈夫です。分かるように説明します。というか、ホームページが見れてる様子だけ見て下さったらいいですから。あとはお嫁さんや大きいお孫さんで分かると思いますから大丈夫ですよ。」

 宇佐は自然がいっぱいで・・・

 でも最近は子供たちも海や山で遊ぶということも少なくて、ゲームとかの方が面白いらしくて・・・

 僕たちはもう少し前の世代に生まれて得してるかも知れませんね・・・

 私らもそうで、今の子供たちは機械とか何かが相手で、情緒的にえいろうかと思うことも・・・

 そんな会話をしたっけ。

 でも、こんな気遣いをしてくれるおばあちゃんと一緒に暮らしているお孫さんたちには、きっとそれが目に見えない形で受け継がれて行くのだろうと思う。

 南を見れば海、北を見れば山、見上げれば空。

 この自然の存在感は大きい。そこに住む人たちはその有りがたみを忘れがちになりながらも、実はそのチカラを体一杯吸い込んでいるような気がする。

 宇佐に来る時はいつも晴れていて、雨の日に来たのはこれが初めて。

 光あふれ、青空の下に広がる海の町・・・これが今までの僕の宇佐に対する印象。

 今日は雨にくすぶる灰色の宇佐を初めて見た。

 でも、宇佐を後にする時、もう雨は冷たく感じなかった。

 あのお母さんと、お母さんがいれてくれたコーヒーのおかげだな・・・