2006年5月18日(木)

朝一の夕暮れ

 午前8時半、昨日のもう一件の設定でお伺いしていた高知市宇津野、Y山さんのお宅に行った。

 Y山さんご夫妻は、年配の気持ちのなごむようなご夫婦。昨日僕は午前と午後2回に分けて、結構な時間をこちらで費やした。無線ルータでの接続がうまく行かない。前回はNTTのV-110という機器がおかしいんじゃないかとNTTに次の1台を送ってもらった。だが、それでも無線が途切れる。

 これはどうしたものか、どう報告したものかと委託元のフィールに電話をして、「無線のチャンネルを変えてみる」というサジェスチョンをもらった。そして、それは正解だった。どこか、この近所で同じような機器を使っていて電波がお互いに干渉していたというのがうまくつながらない原因だった。

 つながらない時の試行錯誤で手持ちのいろんなものを車から持ち出して来ていたのだが、やはり最後の頃にはクタクタになっていたのだろう、僕は大事な書類のファイルをY山さんのお宅に忘れて来た。それに気がついたのは今朝のこと。今日は谷病院の日なので、その前に寄らせてもらえたらありがたい。

 電話をするとY山さんは、昨日僕が帰った後僕の忘れ物に気が付き、完了報告書にある高松の電話番号に電話し、留守電だったので今日も9時になったら電話をしようとしてくれていた。僕の作業中にも何度もすまながって気をかけてくれて、このご夫婦はそういう人たちなのだ。

 そんな中での会話で、僕はY山さんに自分が今使っていないテレビを差し上げる・・・、というよりはもらって頂く約束をした。Y山さんの奥さんは近々入院する予定があるらしいのだが、近い将来には地上波のテレビが使えなくなるということで、電気屋さんにテレビの購入を控えるように言われ困っておられる。一時しのぎ的なものでよければ、我が家で眠っているテレビは病院の部屋でも使えるくらいの大きさだし、僕も生かせてない上に捨てるにも捨てきれないでいたので丁度いい。忘れ物のお陰でその約束も早速に果たせることに。

********************

 書類を受け取り、テレビを置いて・・、次があるので早々に引き上げようとする僕にY山さんはちょっとお茶だけでもと言って下さる。

 じゃ、ちょっとだけ・・。こういう好意に僕はすぐ甘える。そのほんの10分くらいの間にいろんなお話が出来た。

 昨日、ここからみづき坂に行くには裏道を通ってすぐ行けると聞き、早速その道を行ってみたらとても近かった・・・。

 Y山さん夫妻は転勤の多い仕事で、退職後のためにこの「MS団地」に家を買った頃には、この地区はまだ田舎でとても静かだった・・・。小川にはホタルもいたし・・。

 昔、ここら一体は加賀野井家の土地だったことから加賀野井という地名が残っていて・・・。

 この奥まった住宅街が横文字の「MS団地」と名づけられたのは・・・。

********************

 Y山さんのお宅を去る時、お二人は道に出て来て僕を見送って下さった。前々回に来た時も昨日もお二人は雨の中、僕が車庫から車をだすのを誘導してくださった。今日は天気もいいし、ほんの少しの滞在なので車も道路脇に止めていて、もう玄関先だけでよかったのだが・・。

 お二人はそういう方たちなのだ。

 車を出し、団地の角を曲がるまで、バックミラーを見るたびにこちらを見送って下さる二人の姿が見える。

 一日が終わる夕暮れ時にでもありそうなシーン。気持ちがなごむ。

 今日もいい日になりますように・・。