2006年9月26日(火)

記 憶

 土佐市のN岡さん。今回はウィルス対策とDVDの扱いのことでお呼びがかかった。

 お互いに相手にうんと遠慮するタイプ同士なので(信じてくれないと話がすすみません(^_^;))、この方とは人間関係のでき方がゆるやか。

 でも呼んでくれるし、呼んでもらうと嬉しいし、人間関係はいいのだ。ただ、冗談が口を付いて出るとかの軽妙さが出るのに時間がかかってる感じかな?

 これまでに、他所では3万から4万覚悟するように言われていたLAN環境の構築を僕は他の作業も込みで8000円程度でやってしまった。他にもそんなことが何件か。僕には僕の適正価格があるからそれでいいのだが、N岡さんはそういうことにとっても恐縮される人。今日もそういうことに気を使って・・。

 「今日のために家で準備した分とかもちゃんと取ってくださいネ。そうじゃないと悪いから。」

 「いいですよ。又、それは別のところで生きるでしょうから。」

 「いやー、それじゃあ、悪いですから・・」

 「じゃぁ、10万下さい。」

 「いやー、それも困りますネェ。」

 アハハ(^.^)

 DVDのことをやっていて、N岡さんはやりたいことが出来るようになったことを手を叩いて喜んで下さった。

 「自分でやる段になって出来るかわからないけど、頑張ってみますー(^.^)」

 僕が帰る時、N岡さんはそう言ってVサインを投げてくれた。

 嬉しかったなぁ(^.^)

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 おとといの「ホッ」のお母さんのお嬢さん、昨日の夜とても困った声で相談の電話をくれた。無線の電波がつながったり切れたりを頻繁に繰り返す。かなり困り切っていて、その雰囲気が冷静なコミュニケーションを妨げる。こういう時は電話ではとても無理、しかも設定翌日のことなので、とに角もう一度見に行くことに。

 親機と子機の間で電波の行き来を妨げそうなものをみんな試す。電話の子機、洗濯機、電子レンジ、ドア。どれも影響しないし、今日はちっとも切断しない。一応親機も設定し直して再起動もかけた。パソコンの電源を切っても緑の点滅をする子機カードをお嬢さんは夜中抜いておきたくて取り外ししたようなのだが、もしかしたらその挿し具合なのかも知れない。しばらくは様子見してもらうことに。

 作業の終い際にどうしても気になることがあってお嬢さんに聞いた。さっきまでいて、用事があるということで出かけていったお母さんのこと。

「どうも、僕はお母さんのことどこかで会ったことがあるような気がしてならないんですけど・・・」

 人をホッとさせるような人柄で、そのこと自体が「懐かしさを感じさせる人」なんだろうけど、それ以上に以前どこかで会ったような気がしてならない。

「うちの母ですか?」

「エエ、どこか病院関係でお勤めとか、あります?」

「ええ、そうですけど。」(ビックリしてる)

「どちらにお勤めです?」

「H病院です。前は別の病院にいたこともありますけど。」

ズケズケ聞くのをためらいつつも、

「それってどちらです?」

「○○病院で外来にいたこともあります。」

 ○○病院!なんじゃそりゃぁ。それは僕がいた病院。

 職員数180人規模の病院だけど、僕は職員さんのことをとてもよく覚えている方の人間なのにこの「オボロ」な感じは不思議。

 僕が退職する間際の新人さんなのか、僕が入りたてでまだ余裕が無い頃に退職した人なのか・・。

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 ・・・

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 だんだん記憶が蘇ってきた。僕が全然違う業界から病院勤務になって右も左も分からない時に、その病院の手術準備室的な部署に居た人。それがこのお母さんだ。僕が3ヶ月にも満たない頃にこの方は退職されてしまった。人の命、健康に関わる職場はそれなりに緊張感と、どこにもある人間関係でキツイ空気が流れていたりもする。そんな時にホッとさせる風情を感じさせてくれていたのがこのお母さんで、そんな方が「止める」と聞いて、とても残念な思いをした。

 そうか、あの人が今回のこのお母さんなんだ。そうかそうか、そうなんだ。あの時感じた「ホッ」と今回の「ホッ」がきれいに一致した。

 M本さんは職場だけじゃなくて、普段でもこの空気の人だったんだ。根っからそういう人なんだ。

 あの時は僕はほんとに外部から入った新人で何者かも分からない存在だったから、M本さんは僕を覚えてなくてもなにもおかしくない。

 しかし、それを思い出す僕もエライなぁ。

 そして、今回の再訪問はそれを確かめるための無線の不具合だったんだ。

 いやあ、スゲエ、スゲエ!

「12年前のことなのに思い出すなんで僕もスゴイでしょう。」

 思わずお嬢さんにも無理やり同意を求めてしまった。

 しかし、いやあ、世間はせまい、僕の記憶もすごい。