2008年3月14日(金)
毎週金曜日のU田さん。
最近僕はパソコンのことがひととおり済んだ後で映画を見せて頂いている。ひと月前の日記にも書いたが、U田さんとお会いしていろいろとお話をするにつけ、僕はほんとに自分がなんにも知らないという思いになる。
見たい!
聞きたい!
知りたい!
U田さんはたくさんの映画をビデオ、DVD、レーザーディスク、果てはVHDの形でお持ちなのだ。
先週は「次郎物語」を見せて頂いた。
「居場所のないような淋しい子供の孤独感というものは・・、子供は『孤独』という言葉は知らないから孤独だとは思わないでしょうけど、それだけに大人の孤独感とは又違って、どうしようもない純粋に切ないものがあると思うんですよ。この作品にはそれがとてもよく出ていて・・・」
最近の子供の虐待事件と関連してU田さんがおっしゃった言葉に動かされて、僕は「次郎物語」を見せて頂いた。そして、見終わった時に高校生の時に学校の図書館で読んだルナールというフランスの小説家の「にんじん」という話を思い出して、そのことを口にした。
「ほう、そうですか。『にんじん』をお知りですか?またそれはどういうことで読まれたんですか?」
「たぶん、学生雑誌に『読んでおきたい小説100』なんて特集で紹介されてたと思うんですけどね。」
「それで、それはどんな風に思いました。」
「いえ、もう内容はほとんど忘れてしまってるんですけど、家庭内で淋しい思いをしている少年の感じとか、お父さんの存在が少年の救いになる辺りがどこか似ていて、思い出したんだと思います。」
「そうですか、『にんじん』を思い出しましたか・・。」
しばらくしてU田さんはVHDの映画『にんじん』を向こうの部屋から持って来られた。
まぁ、何ということ。「次郎物語」を見せて頂いて「にんじん」を思い出して、その「にんじん」が出て来る。
「私もこの映画のことは忘れていたんですけど、あなたの口から『にんじん』が出て来てびっくりしましたよ。」
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で、今日は「にんじん」を見せて頂いた。映画に音が付くようになってほんの3〜4年後の1932年に作られた白黒の古い映画だが、思い切り引き込まれてしまった。これほどスクリーンに映し出される物語に引き込まれたのは久し振りな気がする。
「にんじん」を見ることになったいきさつは細々書いたけど、あらすじ紹介や感想などはちょっと書けないかな。
「にんじん」を撮った監督はフランスのジュリアン・デュヴィヴィエという監督で他にも「望郷」などの作品があるそうな。
次回は「望郷」を見せて頂くことになりそうだ。