2008年6月10日(火)

レインマン in 高知

 「宮城さん、安住いうアナウンサー知ってます?」

 昨日、3年ぶりぐらいに電話をして来たのは遠い昔、ほんの3ヶ月ほど僕の部下だったことのあるH田君。売れっ子アナウンサーの安住さんを知らないところが浮世離れした彼らしい。

 「安住アナウンサーの関東の方でのラジオ番組に出演依頼が来て、どうしたもんかと思いゆうがやけんど、どんな人やろう?」

 「アナウンサー言うのは表に出ても出演者を立てる裏方側の人間なんやけど、あれだけ売れててもそういうところをしっかり持っちゅうみたいなき、エイ人やと思うよ。」

 「今までもいろいろ話が来たけんど、ちょっと違うような気がして断りよったがよ。けんど、今度の話は今までと姿勢が少し違うかなと思うて、考えゆうところで・・。」

 「おちゃらけもマジメなのも両方扱える人やき、番組の企画自体があんたを笑いの材料にするようなもんじゃなければエイがじゃない?」

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 彼と会ったのは30年くらい前のこと。時計・宝石・レコードを扱っている小売業の計数部門にいた時に彼は僕の後輩としてやってきた。今から思えば、彼のちょっと変わった特性は普通の(?)仕事には納まりきらないところがあったのかも知れない。3ヶ月くらいで辞めることになった。でも、そこから何故か僕と彼の関係は続いている。かといって、この30年くらいの内に彼と何度あったか数えるくらいなのだが、彼は何か仕事が変わったり、環境が変わったりする節目節目で僕に連絡をして来て、それからしばらく行き来があって、又何年も行き来が途絶えるといった調子なのだ。

 で、彼の少し変わった特性というのは、好きなことに関する超人的な記憶力。それと一度音を聞いただけで楽譜が書けるという音楽面での力。

 彼の好きなことというのは高校野球なのだが、彼の頭の中にはとんでもなく古い時代からの高校野球のスコアがなんでもないように納まっていて、昭和○○年の春の第○試合は?なんて聞かれるとその時の話がスラスラと出て来る。そして、その高校野球つながりで彼が集めた全国の高校の校歌は700曲ぐらいになる。この校歌の方も彼はイントロから入って歌詞まで出てくるといった調子。

  彼は、人とのコミュニケーションもとれて沢山の人から好かれているみたいだから、映画のレインマンの感じとは又違うが、思いもしないところで人並み外れて上がり性だったりするのと、この記憶力がどこかレインマンを思い出させる。

 そして、彼は、高校野球の分野で、独特なスコアの付け方を持っていたり人脈が多岐に渡ったりということもあって、結構珍重がられていて、時々テレビ出演や雑誌の取材話が出て来るわけだ。30年前に会った時にこの先彼がそんなことになるとは想像もしなかった。

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 昨日の電話はそういう電話だったのだが、ついでのように出た話から彼は僕の紹介でインターネットの申し込みをすることになった。ちょうど、電話営業だけで済ますような業者さんに申し込みのOKを出していたのだが、ヒカリがつながるまでに随分待たないといけない。ところが僕のルートで調べたらそれまでの日にちがはるかに短いので、こちらの方で申し込みたいということになった。

 で、今日はNTTの営業さんをつれてH田君のところに行ったのだが、たまたま今日の営業さんはH田君の学校の後輩。年齢的には彼が卒業したずっと後の後輩なのだが、共通に知っている先生の話などする内に、営業さんの友人がH田君にとってもとても縁が深い人だというところに行き着いた。

 その時の次々と出て来る人の名前や関係説明の細かいこと。ようそんなこと覚えてるワ。

 やっぱり、彼は、少し頭の構造が違うな。

 世間にはいろんな人がいるわけだが、彼は明らかに突出したいろんな人の一人だ。

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 とってもまともな僕に、何故か一般的な目で言うと「変わった」友達が多いんだよなぁ・・

 フ・シ・ギ・・・