2008年6月13日(金)
U田さん宅、今日の映画タイムは「無法松の一生」二編を見せて頂いた。
1作目は坂東妻三郎主演のもの。これは戦後のGHQの検閲で、作品の3分の1近くをカットされている。
2作目は、1作目を撮った稲垣宏監督が、1作目の検閲による作品破壊を補うためというか、復讐というか(?)、1作目と同じ伊丹万作の脚本で三船俊郎主役で撮り直したもの。
カットされたものは年月の経過がプツンと途切れていて分かりにくい点があるが、それでも、初回作品というものにはそれなりのオーラがあるようだ。
白黒ゆえの幻想感、物語感・・。カラーは逆に安っぽく見えたりもする。
また、三船俊郎の松五郎の方が「無法松」の「無法」というイメージには近いのかも知れないが、坂妻の松五郎には「無法」なりに、なんとも言えない品がある。おそらく「無法」は「無法」なりに「無法」のわけがあって、「無法」じゃない時には笑顔も見せるし、その時の表情は「無法」とはほど遠く人間味がある方がいいわけで、その点で坂妻さんは存在そのものに品と格があるじゃなかろうか・・。
筋がよりよく見えるためには2作目が必要、作品の深み感を感じるには1作目も必要。
一番いいのは、カットなしの1作目なのに違いない。
そのかわり、カットなしの1作目が残っていれば、この2作目はそもそも作られなかっただろうとも言える・・。
カットなしの1作目が見れない今となっては、今日みたいな見方が一番いいんだろうな。
僕はそんな贅沢な見方を今日することが出来たわけだ。
つくづくもラッキーなひと。(運だけで生きてまーす(^_^)v)
U田さんとの出会いに感謝。