2008年6月16日(月)

私はここにいる

 「仕事についたらね、誰一人として、いてもいなくてもいいなんて立場にはならないからね。一人一人が大事な一人になるから、こちらも『私はここにいる』っていうのが分かるように振舞わなくちゃいけないよ。」

 パワーポイントの発表は先々週、先週の2回の授業をギリギリまで使って終わった。今日は別のことをやるが、授業の最初に僕がみんなの発表を見た感想を言う。

 出来はいい。全体を通して今までで一番すっきりした、僕がこうして欲しいというような作りになっていた。後は発表の際に声が小さいくて、発表を聞く人に言葉が届いていない子が思ったより多かった。

 この「言葉を届ける」というのがプレゼンで一番大事なこと。これも仕事をしてお金をもらう、つまりプロの職業人になればおのずと変わって来ることだろうけど、やはり言っておきたいかな・・。

 学生時代は大勢の中の一人として目立たずに卒なくその時々をやり過ごすことも出来る。でも、仕事の場面では、良くも悪くも、無駄な人間なんてひとりとしていない。

 良く言えばひとりひとりが大事な一人として自分の責任を受け持つ。

 悪くいえば、企業は、いてもいなくてもいいような無駄な雇い方はしない。

 得てして、学生のうちはそこらが見えない。

 世間ではいてもいなくてもいいという阻害感から起きたような事件も騒がれているのに、何故か群集の中の一人になりたがる傾向。

 ちょうどいいのがちょうどいいんだろうけどな。

 主張する必要は無い。プレゼンにしろ、出席の返事にしろ、普通に「私はここにいる」というのが分かるくらいには、声を出すってのは大事じゃなかろうかというのを言ったわけだが、パワーポイントの総評がこういうことだとは、我ながら先生らしくなくて僕らしかった。