2008年7月10日(木)

老兵と若い兵士の話

 毎週木曜、谷病院に行く時、車ではAMラジオをつけている。(AMしか入らないからなんだけど・・)

 2ヶ月くらい前にNHKの教育で9時半ぐらいから童話をちょっとした声のドラマにしたようなものを流しているのに行き当たり、それからはずっとそれを聞きながら谷病院に向かっている。

 で、今日聞いたものは・・・

 大きな国と小さな国の国境に見張り番の老兵と若い兵隊がいて、その内仲良くなって・・・という内容のもの。

 エー?

 これって僕がずっとずっと探してたあの話?いや、少し違うかな?

 大きな国と小さな国、国境、老兵と若い兵隊・・・

 村に小さなお店が2件しかないような長崎の田舎にいた小学1〜2年の頃、僕は繰り返し繰り返しイソップ物語を読んでいた。その本は1年に1回あるかないかの、もう少し大きな町に行くという、子供にとっては大きな出来事があった時に親が本屋で買ってくれたもの。テレビもまだなかったし、いつでも好きなように本が買えるような時代ではなかったから、おのずと一冊の本を大事に何度も読むことになる。その時繰り返し読んだのが「イソップ」だった。それか僕の感覚が少しだけねじれている原因に思えるくらいだ。なんのことはない、僕の中身はイソップ物語なのネ。

 それはまぁ、いいや。

 で、その頃読んだ物語の印象で一番残っているのがこの老兵と若い兵隊が登場する話。僕はてっきりイソップの中にあると思い、つい去年の暮れにその本を読み返したのだが、それは記憶違いのようでイソップ物語の中にはその話は出て来なかった。(その本を今も宝物のように持っているのが僕らしい。)

 戦いが終わって国に帰ろうとしている老兵と若い兵隊が国境付近で出会うというものだったと思う。短い話なのだが、その時の二人の会話と情景描写に戦いに疲れた人間の哀感があふれていて、ずっとずっと僕の気持ちの中にそれが残っていた。

 今日のラジオの話はこうしてみると、どうも僕が探していたその話とは違うみたい。でも、空気はとても似ている。

 あぁ、こうなるとあの話がどこの何だったのか、ますます知りたくなる。

 知りたい、知りたい、知りたい!!

 誰か心当たりありませんか?