2008年8月15日(金)

イヴリン・グレニー

 「いやぁ、知らないってことは本当に損してますネー。」

 「そうですよ。しかも我々は何も出来なくてもこういう素晴らしい演奏をただ座って見せてもらえるんですからネェ。」

 金曜日、いつものU田さん。今日見せて頂いた映像は、12歳で完全に聴覚を失い、それから音楽を目指して一流のパーカッショニストになったというイヴリン・グレニーという人のレーザー・ディスクで、彼女が何かを吸収しようと、サンバのリズムが溢れ返るリオのカーニバルに参加したときのもの。

 一度見れば圧倒的な存在感で、彼女は僕の中ではもう超有名人。知らない方がおかしい!!それが、今日の今日まで全く知らなかったのだから・・

 これも又ひとつの出会いだ。

 そもそも、何故このLDを見ることになったかというと、それはよさこい祭りの話から・・。

 U田さんは去年まではそうでもなかったのだが、今年初めてよさこい祭りをじっくり見て、意外にこの祭りはとても素晴らしいものだと思われた。

 「夏の息吹溢れる中で、誰もが平等で自由で。あれは素晴らしいお祭りですよ。」

 徳島の阿波踊りは単純な踊りであるが故に、逆に上手い下手の技巧が見えて来て、こちらが臆するところがある。だが、よさこい踊りは振り付けもチームそれぞれに自由で、誰もが参加できる。

 「昔、会社の命令で踊らないといけないと言って愚痴っている知り合いがいましたけどねぇ。そういうことはあったとしても、あの踊りの中では上司も部下もなくて、みんなが平等でしょう。」

 一体どういうことからこういう形に発展したのかということから今日のネット探検隊は始まったのだが、その最中に僕は何かで読んだ記憶でU田さんにこう言った。

 「なんでも、よさこいを始めた頃に、将来リオのカーニバルのようなお祭りになったらいい、というような思いもあったようにどこかで読んだような気がするんですけどネ。」

 ネット検索でそういう逸話には行き当たらなかったが、「リオのカーニバルと言えば・・・」ということでU田さんが奥の部屋から引っ張り出して来て下さったのがイヴリン・グレニーのLDというわけ。

 あちらこちらに飛び回る会話から、こういうものが出てくるU田さんの間口の広さにはいつも驚かされる。以前も「次郎物語」を見て、僕がルナールの「にんじん」を思い出したと言ったら、その「にんじん」の映画をお持ちだったということもあったんだよなぁ。

 そういうことの連鎖で最初は数回で終わるかも知れなかったU田さんとのおつきあいが続いていると言ってもおかしくない。

 U田さんが最初の時に言われた、「人生は出会いが全て」という言葉はほんとにそうだと思う。

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 イヴリン・グレニー、興味のある方は見てみて下さい。→イヴリン・グレニー(検索結果が出るようにリンクしてまーす。)