2008年9月19日(金)

映像研究会

 「カサブランカ」の安っぽさ・・、実は僕のテレビ環境が安っぽいということに落ち着いたDVDやレーザーなどの動画の比べっこにU田さんが大きく興味を示された。

 「今まで一つの作品はそれ一つしかなくて、安いものとか高いものとかあるなんて思いもしませんでしたよ。」

 例えば「ローマの休日」、映画ビデオが販売され始めた頃には2万円くらい、そのうちレーザーの時代になって1万円弱、それがDVDの時代になって5000円弱になった。その内もっと入手し易い金額にと4000円くらいまで落ちただろうか。

 でも、ここらまでは同じ内容と質のものが同じメーカーから、その時々のメディアで出直し、その普及促進のために値段が落ちて行ったという状況。

 だが、最近は著作権が切れて、同じタイトルのものがいくつもの聞いたこともない会社から販売され、2000円だったり1500円だったり500円だったり、僕が今度見つけた宝島社のものなどは「シャレード」と組みで500円、つまり1枚当たりは250円ということになる。

 果たして、250円のものと4000円のものは変わるのか変わらないのか。

 僕もそういうところが気になってネットで調べてみると、宝島社のものは、名画のフィルムを持っている会社があって、その会社が独自に、販促や記念DVD的な使い方で使いませんか?という売り方をしていて、それに宝島社が乗って販売に使ったという感じ。だからDVDの動画はその会社が持っているフィルムから取ったもので原版ではないということになる。

 それに対して、著作権がまだ生きている時にビデオやレーザー、DVDで売っていたのは有名な「ワーナー・ホーム・ビデオ」というところ。

 その元のフィルムが原版なのかどうかは分からないが、元のフィルムが違うから、DVDの違いも元の違いということになるのは確か。

 じゃあ、その差はどんなもの?・・・

 思いは次々と進み、やはりこういうことは見てみないと分からない。

 U田さんはネットを通して「ローマの休日」の高いほうを買われることになった。(安いほうは僕がすでに本屋で注文しているので)

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 U田さんが「高いもの」「安いもの」の違いをとても気にされるのには理由がある。気にするというより、違いを知りたがると言うべきか。

 U田さんがずっとやってこられたオーディオの世界ではレコードプレイヤーやアンプ、スピーカーなどがそれぞれに何百万、何千万なんてことはざらにある。 U田さんも結構なものを持っておられるのだが、遊び心で変われた2万円くらい?のCDやレコードが聞ける一体型のものが結構いい音で、場所と状況によってはこちらの方がよっぽどいい音の時もある。

 U田さんは値段に騙されない人なので、何百万のものより2万円のものがいいと感じればそのまま「いい」と言われる人。

 そんなことがあるので、今回の、同じ作品でも何種類もDVDが出ているということを知った結果、映像の世界での高いものと安いものの違いというものをどうしても確かめてみたくなったわけだ。

 いくつになってもいろんなことに興味深々で、U田さんには「最近になって初めて分かるようになりましたよ」とおっしゃることがいくつもある。

 知識も経験も僕らの何倍もある方が更に「初めて知った」と言えることも素敵だ。

 僕もこういう年の取り方をしたいなあ。

 でも、こうなると年は全く関係ないんだよなぁ。

 U田さんという一つの個性があって、それが年月の経過でたまたま今86歳というだけのことなのに違いない。年齢は既に超越されて問題外なんだ。

 こういう年の取り方じゃなくて、こういう人でありたいな・・。

 ネットで注文したU田さんのDVDも、僕が本屋で注文したDVDもそれぞれ来週には出揃うはず。

 映画探検隊から今度は映像研究会になりそう。