2008年10月3日(金)
金曜日いつものU田さん。先週も少しやるにはやったのだが、今日はとことん、同じ映画で発売元や金額が違うDVDの映像比較をやった。
もちろんこれはパソコン作業が終わった後の趣味の時間にやる。
映像比較の材料としては「ローマの休日。」
これなら、僕が2枚組500円で買った宝島社のもの、U田さんが今回買ったワーナーホームビデオのものがある。更に、U田さんは「ローマの休日」のVHDもお持ちだ。
この三つのDVDとVHDの同じ場所を何度も見比べる。
U田さんはちょっと見ただけで、安い方は奥行き感が欠けるように思うとおっしゃる。
僕はなんとなく安い方がピントが甘いように感じるが、その感じ方に自身がない。
宝島、ワーナー、ワーナーのVHDを何度も変えてみるうちに感覚が鈍くなってきて、更に次のシーンで又映像比較をして。
その内に確信を持って違いが分かる場所に来た。
オードリーヘップバーン演じる王女が、ローマに着いた最初の夜のホテルから音楽でにぎわう外を見た時に、窓の外の木々の間から、音が聞こえて来る広場の灯りが見えるシーン、その木々の密集した葉っぱの輪郭がワーナーのDVDではくっきり見えるのに他のものではそれがない。
これでちゃんと言葉にして違いが言えるようになった。ワーナーの方がコントラストがはっきりしている。
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元々、DVDを作る時のフィルムが違うので違いがあるのは分かっているのだが、U田さんが今回買われたものは「ローマの休日」の何十周年記念というような企画もの。デジタル処理で映像の修復処理がされていると書いてあった。今時の、そして、記念ものということもあって、そのDVDは2枚組で、その2枚目には撮影時のエピソードとか映画館の予告編などのおまけ映像が収録してある。
そして、そのおまけ映像の中にはリマスター、つまり今回のDVDを出すにあたって行われたデジタル処理の内容を収録したものもあった。それによると・・・
古い映画をデジタル処理するにあたっては、二つの考え方がある。それは「保存」と「修復」。
「保存」の場合は、残っている古いフィルムをこれ以上劣化させず現状維持するためにデジタル化でそれこそ「保存」する。
「修復」の場合は、現状のフィルムがオリジナルの時より劣化した部分をオリジナルに限りなく近く、それこそ「修復」する。その時に気をつけるのは、オリジナル以上に良くしたいという気持ちをぐっと抑えて、オリジナルの復刻を目指すということ。デジタルだと極端な話、白黒をカラーにすることだって出来るわけで、それをやりすぎるとU田さんがおっしゃるようにかえって安っぽくなったりするというわけだ。
先にこういう説明をみてから比較を始めるとどうしてもその先入観が邪魔しただろうと思うが、今回は自分たちが確実に違いが分かるところまでやってからこの説明を見たので、違いの理由が良く分かった気がした。
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と、こんなことばかり書いているが、この作業を通して僕の中に残った印象は・・・
オードリヘップバーンの出現はその時代の映画界の大きな出来事だったんだなぁ・・ということ。
映像比較をしながら、それ以上に彼女の印象が残ってしまう。
こんな人もいたんだ。