2008年10月25日(土)

徳弘君

 「ミヤちゃんやいか!」

 高松サンポート、重要文化財保存会の展示会場作りの合間、高知から来た3人でタバコ休憩のために喫煙できる場所へとロビーを歩いていると窓際のソファにいる背広姿の人と目が合った。

 ン?・・・

 と思ったと同時に彼もソファから飛び上がるように立ち上がって叫んだ。

 「ミヤちゃんやいか!」

 「ありゃあ、何でこんなところで?」

 僕も大きな声を出してしまった。

 彼は、僕の大学卒業後1度目の就職時の同僚徳弘君。面接試験の時隣合わせになり、僕の「就職先はどこでもいい」というような無責任発言の影響で他の受験予定の会社の受験はやめて、早々に合格の決まったその会社に就職して僕と同僚となった人。

 そして、その徳弘君の隣にはず〜っと前に「よっ、大西屋」というタイトルで日記を書いた大西君もいる。

 徳弘君と大西君は元々「ホルプ」という、学校や公的性格の企業相手に本を売る会社にいた。その「ホルプ」本体は潰れて、今は社員だった人たちそれぞれが個人営業の集合体のような形でその仕事を続けている。大西屋さんと知り合ったのも徳弘君経由なのだ。彼らは今日、ホルプグループで時々やる絵画展示販売会を隣の会場でやっていたというワケ。

 しかし、僕は確かに「縁を呼ぶ男」だが、これほどまで偶然にこんなところで会うものなのか・・

 おかげて、4時起きで5時半には高知を出、龍史君の強気な運転で車に揺られ、慣れないところであれこれやっていることに別の意味めいたものまで感じてしまう。

 ねぇ、徳弘君とはいつでも会おうと思えば会えるような気がしているのに、実は電話番号もやりとりしていなくて、近々大西屋さんに確かめるなりしてホントに必要な時にはすぐに連絡が取れるようにしておきたいと思っていたのだ。

 で、今日それが出来たのかというと、タイミングを逸してできなかったんだけど・・

 「ミヤちゃん」という呼び方は徳弘君独特の僕に対する呼び方で、その影響を受けて大西夫妻は僕のことを「ミヤちゃん」と呼ぶが、他に僕を「ミヤちゃん」と呼ぶ人たちはいない。で、徳弘君の「ミヤちゃん」は実に自然でそう呼ばれると僕は心がほどける思いがする。

 徳弘君という人は、僕にとってそういう存在なわけ。それが、こうして思わぬ場所で会うんだから気分も変わるというものだ。

 あの時、タバコを吸いに行かなければ、それだけでも会っていなかっただろうと思う。

 偶然というか必然というか・・不っ思議だねえ・・・