2008年12月19日(金)

丹下左膳余話 百万両の壷

 「いやぁ、これはいいものを見せて頂きました。」

 「ほぅ、これをそう評価されますか?それはスゴイ。」

 今日U田さんに見せて頂いた映画は「SOSタイタニック」と 「丹下左膳余話 百万両の壷」。

 タイタニックはずしんと来る。今乗っている船が沈むのに後数時間。今は生きている。数時間後にはどうなるか分からない。そんな時に人はどう行動するのか。自分は後から行くからと嘘をついて奥さんと子供をボートに見送る人、最後まで夫と一緒にいたいと乗船を拒否する女性、女子供を先にという時にボートに乗ってしまう男性、とに角乗客の救出をと任務を果たそうとする乗務員、最後の最後まで音楽を奏でる楽団員たち、命には未練がないとでもいうようにぎりぎりまでポーカーをしている博打打ち。

 これだけで映画1本どかんと見た気持ちになるその後に見たのが「丹下左膳余話 百万両の壷」。

 これが良かった。

 斬り合いのシーンがほとんどない。(もしかしたらカットされているのかも知れないが)それがなんとも良い。

 とぼけたユーモアのテンポいい連続。大河内伝次郎のリズミカルでユーモラスな殺陣。

  相手役の清三(きっと芸子さん出身の女優さん?)の都都逸というのだろうか、色気のあること。舞台の日舞で聞くものはピンと来ないがこれなら流行歌と同じくらいにすんなりとこちらに入って来る。

 まぁまぁ、何と品のある娯楽映画だこと。

 映画が終わった時に思わず手を叩きたくなった。

 「踊る狸御殿」「ミラノの奇蹟」に加えてこれで三度目だ。

 僕はこの頃の映画と相性がいいようだ。

 「そうですか、この映画にそういう評価をされるとは、それはすごい鑑賞眼ですよ。」

 うわぁーい!誉めてもらった。だっていいんだもんなぁ!

 タイタニックを見たあとで次に見る映画を選ぶときU田さんは「そろそろ、私のお勧めの映画はほとんど無くなってしまいましたよ」とおっしゃり、丹下左膳は僕が「話の種に面白いかも」という感覚で選んだのだがこれが見事な当たりだった。

 見てみないと分からないネー。