2009年2月6日(金)
U田さんとの趣味タイム、今日は僕がDVDを用意して行った。
『明日への遺言』。この映画は、前回、「バルトの楽園」と「大奥」を借りた時に見つけたもの。
これはU田さんと見ておかなくちゃいけない。
そう思った。
この映画は、以前、何か別のDVDを借りて見た時に予告編を見たことがあるのだが、その時は僕はこういうことに目覚めていなかった。こういうこととは、目を背けたくとも、それほど遠くはない過去に実際にあった戦争のことを知るということ。
U田さんは「シェルブールの雨傘」を買った時以降は手元に置いておきたいような映画がなくてすっかりビデオやDVDを買わなくなったとのこと。
「最近の映画は自己満足的に感情丸出しで、そうしないと売れないのか無駄な暴力シーンが必ず入っていて、せっかくの作品を台無しにするようなものばかりですよ。映画を見た時間がもったいなかったと思うくらいで・・」
U田さんはDVDを買わなくなったと言っても、映画館で映画は見ておられる。お持ちのビデオやLD、DVDも、昔映画館で見たもので手元に置いておきたいと思ったものを後から購入して揃えておられるのだ。
戦犯裁判で我が身の安全を省みず、部下を守り信念を貫いた一人の中将の話だというこの映画、ずっと前に見た予告編を思い返すとこの映画は最近作られた映画であってもU田さんの心に通じるのではないか・・。そんな気がして、あえて僕自身も予備知識など入れない状態でU田さんと一緒に「初めて見る」ことにした。
映画を見終わった時のU田さんの言葉。
「いやぁ、この映画はいいですねぇ。」
何か新しいものを発見したような表情。
僕もそう思った。今の時代なら技術的にはもっと派手なことが出来るだろうに、それをしない抑えの利いた話の紡ぎ方。逆にその静けさが主人公の中将の心の強さや潔さを際立たせる。
こんな地味な作り方がこの時代にされること自体価値がある。この映画はつい最近、2007年のものなのだ。
主人公の中将の有り様に人の崇高な一面をみせられ、そういう映画が今日作られているということに「今の時代もまだ捨てたものじゃない」の思い。
(公式ホームページはhttp://ashitahenoyuigon.jp/index2.htmlです。)