2009年6月11日(木)

すずめが来た日

 谷病院の帰りに320ギガのS-ATAハードディスクを買ってきた。これは近所の自動車整備工T田さんのパソコンでリカバリーするためのもの。リカバリーしたものの実はハードディスクが壊れてたというのでは又同じことをしないといけないし、最近はハードディスクがとても安いのでT田さんは最初からハードディスクを換えてのリカバリーを選んだ。ハードディスクは6000円弱、これで今までの250ギガから320ギガに増える。

 さぁ、これはこころして作業しなくちゃ。リカバリー自体はそれほど構えなくてもいい作業なのだが、この大容量ハードディスクの場合は「容量の壁」というのがあって、今までと同じ250ギガならすんなり行っても、320ギガだと何かひっかかる可能性もあるのだ。それに、うまく行った場合に、これまでより多い70ギガの容量はリカバリー後のどのドライブに割り当てられるのかそこらもやってみないと分からない。今回の場合は結構な「ひと仕事感」がある。

 我が家について、そんなことを思いながら玄関に入ろうとすると、玄関脇の片隅になんと小さなすずめがいた。僕が覗き混むと飛んで逃げるでもなく、もっと奥の方にチョンチョンと歩いて隠れてしまった。家人に聞くと、頭上でカンッ!という音がし、いきなり空からすずめが落ちてきて目を回していた。拾い上げて水を飲ますと飲んだので、これなら元気になったら飛んで行くだろうと玄関脇においてある孫のおもちゃの一輪車に入れておいたのだという。

 あのすずめは空から落ちたショックでどうも飛び方を忘れているようだ。

 まぁ、それでももう少し元気になったら飛び方も思い出すだろう。さぁ、リカバリーに取りかかろうか・・。

 そこへ介護支援事業所のF原さんの旦那さんから電話が入る。ネットを見てたらパソコンが固まってしまい、強制終了した後から起動画面の途中で止まってしまいどれだけ待っても先へすすまない。明日には仕事の方で使うだろうし・・とかなりお困りの様子。 

 ウーン、僕は僕で少し重目の課題にとりかかろうとしているし、今行ったものか明日一番にしたものか・・。F原さんの場合だって深刻なトラブルだと、取りかかった後で更に時間がかかるかも知れない。となると、F原さんは明日の仕事に差し支えが出てしまう。ウーン・・・

 今から行くことにした。

 で、その準備をしてると僕より少し後に帰って来た秘書殿がさっきのすずめを一生懸命保護しようとしている。元気になったら飛んで行くにしても、それまでにネコに見つかったり、道路に出て車に轢かれたりするのが心配で、彼女は何がなんでもとりあえずは一度保護したいと考えた。ところがすずめは、家の前の道路を走って渡り、コンクリートのふたをしている溝のどちら側からも届かないような場所に避難している。まだ飛ぶ気はないようだ。これで、明日になったらその溝から水が落ちて行くもう少し大き目な溝にすずめが死んで浮かんでるなんて考えたらたまらない。しばしの間、コンクリートのふたのそばにあるご近所さんのグレーティングを勝手にはがしたりしながら悪戦苦闘。その内ご近所さんが帰って来て、迷惑がるどころか釣りに使う長い網竿を持って来て手伝ってくれる。

 しかし、僕はこの急いでる時に何やってるんだろう(^_^;)

 「僕は急ぎの仕事があって出かけるき、君はとに角着替えて、すずめが出て来るのを気長に待ちや。」

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 F原さんのパソコンはチェックディスクなどでも回復しない。なんとかセーフモードで起動しても通常モードでは止まってしまう。セーフモードの時にハードディスクの健康状態を見れるソフトで確かめるとハードディスクに機械的な不具合はなかったので、思い切り荒いやり方を試してみた。

 それは、同じ型の別のパソコンとハードディスクだけ取り換えるというやり方。今日は僕も時間に余裕がないので、場合によってはとりあえずパソコンをお貸ししようかと思って全く同じ型のパソコンを持って来ていたのだ。でも、そのパソコンを貸したとしても介護事業の特殊なソフトやこれまでのデータの入れ替えなんてことを考えるととんでもなく手間がかかってしまう。元のパソコンのハードディスクに問題がなければ、ハードディスクだけ取り換えれば僕の持って行ったパソコンで今までどおりに使えるハズ。

 ネライは当たり!しばらくこの状態で使って頂くことにした。

 さぁ、帰ってT田さんのパソコンのリカバリーに取り組もう。

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 家に帰ると玄関に入ったところに鳥かごがあり、その中にはすずめがチョンと立っていた。こわがって騒いだりせず、なかなかかわいらしい。

 聞けば、あの後、秘書殿の「何がなんでも」の執念に近所中の人が協力してくれて、宮城家の向かいの溝では大捕り物があったらしい。

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 T田さんのリカバリー作業は、可能性として予想していた「容量の壁」や増加容量の割り当ての問題は起こらずとてもスムースに終えることが出来た。それでも、時間はかなり遅い。というか、もう午前の部だ。

 寝る前に玄関口に行ってみると、鳥かごにはすずめが寝れるようにふろしきがかぶせられていた。

 遠慮がちに風呂敷のはしを持ち上げて覗いてみると、すずめは静かに止まり木にとまっている。すずめって立ったまま寝るんだっけ?

 今日は僕も秘書殿もそれぞれによくやったナ・・・(^^)