2009年11月27日(金)

映画、国士無双

 U田さんのところでの映画タイム。今日は中井喜一、フランキー堺出演の「国士無双」をご一緒に。

 この映画は伊丹十三の父親である伊丹万作が監督したものをリメイクしたもので、U田さんから伊丹万作の「正臥雑記」という著書のことをよく聞いていた僕は衛星映画劇場の番組表に伊丹万作の名前を見て即録画予約していた。

 伊丹万作が監督した方はもうフィルムが散逸してしまい、なんでもリメイクしたこの映画が出来たしばらく後に20分くらいのシーンが見つかって、販売されているリメイクのDVDには特典映像として収録されているらしい。

 リメイクではあるけれど、U田さんがよく話に出される伊丹万作がどんな映画を作っていたのか、僕としては興味津々。

 映画が始まってオッと驚く。時代劇なのにバックミュージックには洋風な音楽。

 剣の達人伊勢伊勢守のフランキー堺とにせ(?)伊勢伊勢守の中井貴一、試合をして偽者の方が勝ってしまい・・・

 ということで話が進むのだが、中井貴一扮するにせ伊勢伊勢守の飄々としたとぼけた感じに、最初はいきなりの今風バックミュージックで違和感を感じた時代劇がだんだん面白くなって行く。

 オリジナルはサイレントらしいから、バックミュージックそのものがないわけだが、きっとそういうスピリッツの映画だったんだろうな。

 話の展開もオリジナルどおりでは無かろうけれど、きっとこんなスピリッツ。

 とすると、やっぱり日本人の感性はすごいんだねぇ。

 こういう映画を作る人がなかなかいないからこそ偉大な監督と言われるのだろうけど、一方その映画を受け入れ「良い」と感じる側の感覚もあるわけで、そういう意味で一般大衆もなかなかのものなのに違いない。

 「古い」、「昔」・・・、ということで、精神的な部分まで遅れてたように思いがちだが、逆にそちらの方では昭和初期なんて言わず、何百年も何千年も前から、人間、そう変わっちゃいないんだろうな・・。