2010年8月28日(土)

バレエ、仕込み、リハの日

 昨日は徳島・海南への移動日で今日は仕込みとリハーサルの日。

 リハが始まるまでは大道具要員で、龍史君の指示の下、仕込みをする。

 僕の場合は舞台ごとに関しては万年見習いなので大したことは出来ないが、これまでやってきた経歴からするとやはり大道具意識の方が強い。

 そして、リハが始まってMDデッキの再生ボタンを押し始めて初めて音出し係としての意識が表に出て来る。僕の役割は「音響」なんてプロっぽいものじゃなくて、龍史君のキューに従って音を出し、時々キュー待ちのタイミングでは遅すぎる微妙なものだけ、ダンサーの動きと龍史君のキューの両方に神経を集中し自分の感覚も動員して音を出すという感じ。

 この作業、1年のうちリハ日に0.5日、本番で1日。

 僕は1年に1日半だけ、音出し係になるわけだ。

 作品がほとんど分かってないから、順番が簡単に変わってしまうリハ日にはいろいろと失敗もする。失敗するのは主人公たるダンサーたちがやって、それを本番に活かせばいいのだが、ゴメンナサイ、それを支える役割のスタッフの音出し係の僕もそれをやる。

 リハでうまく行った時はたまたまうまく行っただけ。

 それよりは、リハでしくじってその原因をつかみ、本番では手応えを感じながら確実に役割を果たす方がいい。

 僕はそう思っているので、割と打たれ強いし、失敗は本番に活かすタイプだが、バレエ教室の生徒たちは3歳児から高校生までという年齢で、失敗を本番に活かすという意識があるかどうかも分からん。こういう場合スタッフ側はさりげなく完璧で、安定した力を提供すべきなんだけど、そこが1年に1日半だけの人間にも難しいところ。

 正木さんも龍史君も、作品のすみずみまで知っているように見えるんだけど、前もって曲やバレエの振り付けやら記憶にしみ込ませる作業をしているんだろうか?それとも、そういうのはこの業界の常識的なことなのか・・・。

 やっぱ、僕は万年見習いなんだろうな。