2010年11月26日(金)
内山時江バレエ研究所、今日は本番の日。
第二部「三匹の子豚」、第三部「きれいな川を」はストーリー性のあるもので、昨日書いたのは第二部の「三匹の子豚」のこと。
舞台監督は曽我さん、道具制作はカラタチ工房の北川氏、大道具の出し入れはこの北川氏と僕と、北川氏が連れて来た若者がやる。
その役割できっかけが大事なものが「三匹の子豚」の、藁の家、木の家、レンガの家を舞台に出すそれぞれのタイミング。今回はそのきっかけがリハーサルの昨日の段階でも微妙に決まっておらず、曽我さんは全体のことで追われているので、お稽古も見てある程度のことが分かっている北川氏が僕らの頼り。なにしろ、当日要員の僕たちはリハーサルで感じをつかみ本番でエイッとばかりに決めないといけない。
昨日は北川氏が「まだまだ」と言っているのを「いいや、ここだろう」とばかりに自分で判断して出て行ってそれは正解だった。判断というよりは、きっかけ寸前の感覚で身体が勝手に動いてしまったという感じ。現場ゆえの本能というか・・・。その代わり、それはまぐれみたいなもので、「こうすれば確実にこうなる」という確信を伴うものは何にも出来上がっていない。昨日のあれが本番ならいいんだけど、今日はもう一度リハーサルがあってそのあとで本番があるんだよネー。本番で確実にやるためには今日のリハーサルでしっかりしたものをつかまないといけない。
狼に吹き飛ばされて揺れに揺れる藁の家に長男の子豚がしがみついて一緒に揺れに揺れるという演技に乗ってしまって、昨日のことほとんど覚えていないんだ。
今日は情けないけれどリハーサルの時にストップウォッチを使って、何分くらい経ったら集中しようという目安を作り、そこから後は舞台上の進行に集中して、タイミングをつかむという方法を取ることにした。作品の全てをしっかりとつかんでないからこうするしか方法がない。
リハーサルでも「ここだ」というタイミングのつかみは合っていたが、今日も北川氏の制止があり、今回はタイミングを外して藁の家を出すことになった。
でも、こうやって失敗しておくと、本番はうまく行くのだ。リハーサルで全てうまく行ったら、それは半分まぐれが手伝っていて、本番ではうまく行かないことがある。リハーサルで失敗すると、どうすれば本番でうまく行くのかがつかめるので、ホントに「失敗は成功の元」なんだ。
果たして、本番での藁の家を出すタイミングとその後の狼に吹き飛ばされる家の揺れが一番良かった。その吹き飛ばされる家にしがみつく子豚の長男をやっているダンサーの表情が素敵で、いとおしくなったくらい。子豚の役の時は子豚さんなんだけど、おしゃれな踊りの時はとてもエレガントできれいな人なんだ。まぁ、役柄で見た目が変わること。ダンサーは踊る役者さんなんだ・・。
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かくして、今日の舞台は無事終了。撤収が済んだら今度は松山へ。「旅から旅へ」みたいで、まるで業界の人みたいだけど、僕の場合はスケジュール管理の甘さでたまたま連続になっただけなんだ、実は・・(-_-;)