2010年12月10日(金)

ああモンテンルパの夜は更けて

 今日U田さんとの映画タイムに見たのは、映画ではなく、先日NHKのBSで流していた「奇跡のメロディ、渡辺はま子物語」という芝居。斎藤由貴が渡辺はま子を演じていた。

 戦後、フィリピンのモンテンルパと呼ばれる刑務所に収容されていた戦犯扱いの元日本兵たち。実際は無実の人たちも多く含まれていたのだが、戦後7年目に14人の死刑が執行され、残る100名余の囚人たちは「明日は我が身」の思いで不安の日々だった。そんな中、「モンテンルパの歌」という曲を作り渡辺はま子に送ったところ、渡辺はま子はそれをレコードにし、いてもたってもいられない気持ちで、当時国交の無かったフィリピンの刑務所に無理を通して慰問に行く。

 復員局や渡辺はま子の、モンテンルパに収容された戦犯たちを釈放して欲しいとの思いが、その歌や新聞記事などを通して日本国内に広がり、やがてその思いは当時のフィリピンのキリノ大統領の戦犯全員に対する恩赦という結果につながっていく。

 この話、1年くらい前だったろうか、U田さんの記憶を元に随分とネット検索したことがあった。

 こういうことも積み重なって行く歴史の中で、だんだん知る人も減っていくんだろうか・・、というのがその時の思いだったのだが、そうじゃなかった。

 やはり、これは奇跡だったのだ。歴史の片隅に追いやるには大きな出来事過ぎて、ちゃんとこうして芝居にする人達もいる。

 渡辺はま子という人は、戦時中に戦地に慰問に行ったことが、兵隊たちを鼓舞し、無駄に死に急がせたのではないかという罪の意識から、戦後もその責任を忘れない人だった。

 キリノ大統領は自分の妻や子供たちを日本兵に殺された人だった。

 斎藤由貴は渡辺はま子の歌い方の特徴を見事にとらえ、プロ根性とはこういうものか・・と思わせてくれた。

 以前U田さんとモンテンルパのことを調べていなかったら、BSの番組表の中に今回のタイトルを見ても録画していなかったんだろうなぁ。

 それもこれもみんな「出会い」で、「人生は出会いが全てだと言ってもいいくらいですよ。」とのU田さんの言葉はほんとにそうだと思う。