2011年3月11日(金)
今日の映画タイムにU田さんと一緒に見たのは、数日前に僕がBS放送で録画した「生き抜く 小野田寛郎」という番組。
これはかなり響いた。
社会情勢や世間の出来事に疎かった(今もそうだ・・)僕は、終戦29年後までフィリピンルバング島で戦い続けていた小野田さんの帰国が騒がれた頃、そのことにあまり関心が無くて小野田さんのことをほとんど知らないでいた。ひとつにはマスコミ不信というか、大騒ぎする世間に対する不信感というのもあってあんまり関心が湧かなかったのだと思う。
しかし、知らないということはほんとに損だし、愚かなことかも知れない。
小野田さんはすごい人だった。
すぐれた知恵、強い意志、洞察力。軍人の中でも階級的な意味では無く実力あるエリートで、それだからこそ長い間生き抜くことが出来たのだ。
また、帰国後の生き方にもその能力の高さが伺い知れる。
作家の戸井十月さんのインタビューに小野田さんが答える形での番組進行の中、小野田さんの言葉に何度もわが身を正したくなるような言葉があった。
こういう方が現に今も同じ地球上にいると思うと、希望をもらえたような気持ちになる。
戦争を肯定するわけではない。
常に生死と隣り合わせにいて生き抜いて来た人の心の有り様に、人の心を打つ凛とした何かがあるのだ。
この番組、5年前に放送されたものが、沢山のリクエストの結果、これまでに何度か再放送されたとのこと。
僕はやっと今回この番組にめぐり合えたわけで、5年、損してしまってる。
それでも、今回出会えてよかったと思う。