2011年4月 8日(金)
「こういうものはホントに人というものに愛を感じてないと、作れませんよねぇ。」
今日U田さんのお宅での映画タイムに見たのは小津安二郎監督の「東京物語」。
主人公夫婦の話し方のテンポがいい。
淡々と話が進む小津映画。世の中のあちらこちら、どこにもあるような家族風景を描いて、筋があるような無いような。
でも、しっかりとある。
そして、しっかりとあるその筋書きを無いように思わせるのが映画の中の話の間(マ)。
ネット上で「東京物語」の筋書きや小津監督が描こうとしたことを説明したページは沢山あるが、この間(マ)、空気感は映画を見ない限り分からない。
そしてこの空気感こそ、小津映画の価値なのだ。
だから、説明とか感想とか書きようがないところがある。
見ないと分からない。その代わり見れば分かる。これは映画の最上級の形かも知れない。筋の妙より「間(マ)」の妙なのだ。
良かった・・。是非、皆さんも機会があったら見て下さい・・、としか言いようがない見ないと分からない良さなのだ。
でも、こういう間(マ)のある映画を今の時代にじっくりと見るというのはなかなか無いことだろうなぁ。
僕だってU田さんと一緒だったからこそじっくりと真正面から見れたわけで、やれどもやれども次の課題に追い立てられてるような生活ではこういう映画をしっかり見るのは至難の技かも知れない。そしてそういう自分の姿はこの映画の中の夫婦の子供たちの、日常の忙しさに追われて心亡びかけの姿と重なって見えて来る。
まさか、そこまで考えて作られた映画なんだろうか・・?
U田さんに出会えたおかげで、こういう映画をしっかりと見れて・・・
僕は随分と豊かな時間を持ててるようだ。