2012年2月24日(金)
浮田さんとの映画タイムに見た映画は「土」。この映画を見るのは2回目かな・・。
この映画は、日本にはフィルムが残っていなくて、たまたまそれがドイツにあったということでかろうじて消滅を免れた映画。画面にはドイツ語の字幕が入っているが音声は日本語なので、ドイツ語の字幕は気にしないことにして、そのまま鑑賞することが出来る。
鬱屈した感情を持ち、周りからは偏屈扱いの貧しき小作農の有り様。主人公が属する村の、貧しいが故の村の人々の自然発生的な助け合いの心。支配者側にありながら、小作をいたわる気持ちのある地主、主人公の娘の健気な有り様。
物語を通して、明治後期の貧農の暮らしの様子などが伝わって来る。
どういうわけか、こういう極限の貧しさの中で踏ん張っている人々の姿を見ると、僕はこれこそ「生きる」ってことだと感じてしまう。
イメージが現実を呼ぶという意味では、貧しさや貧しさの中で踏ん張っている人に共感を覚えているようでは、自分で自分に貧しさを呼び込んでしまう危険があるから、ウンと気を付けないといけないのだろう。でも、そういう環境の中でこそ人の本質が見えやすくなるという点で、どこかスッキリ感があるのだ。あきらめるべきはあきらめるしかないし、そんな環境で健気に頑張っている人々の姿は美しく、こちらの胸を打つものがある。
自分がこんな貧しさに陥りたいかと言えば絶対いやなのに、はたから見る立場ではスゴイと思ってしまうこの感覚。それ自体、僕の存在自体、傲慢の塊なのかも知れない。