2012年8月 6日(月)

看護科、授業最後の日

 「いいかなぁ、ちっちゃいけれど、大事なこと言います。」

 授業最後の日、今回は二つのクラスそれぞれに同じことを言った。

 「課題提出のファイル名の付け方、何度か説明したけど、全然違う人がいるんだよねー。聞いてもらえてないんだなぁとちょっとガックリ。」

 「僕の場合は、自分の説明が下手だったんだと反省すればいいんだけどネ。みなさんゆくゆくは看護師になって、病院に勤めたりするんだよね。そこには、肉体的にも精神的にも弱い立場の人が来るんだよね。そういう人たちのお世話をするのに大切なのはコミュニケート能力なんです。知識も技術も経験ももちろん大事だけど、ちゃんと人とコミュニケート出来ないとどうにもなりません。日勤、夜勤と患者さんの状態を申し送りをして同じ患者さんを複数で看護して、自分が同じ人を四六時中担当するということはないからね。患者さんの訴えもしっかりと受け止めないといけないし、それは他の看護師にも伝えないといけない。ちゃんとコミュニケート出来るっていうことが大事なんです。で、コミュニケートの基本はまず、相手の言うことを「聴く」ということでしょう?そのうえで、今度は伝えるべきことを的確に伝えるハートと力。ファイル名のこと自体はちっちゃいことだけど、こんなところに人の姿勢が出て来るんだからネ。こんなことで大丈夫かなぁ・・って思ってしまうんだよネー。今日は、作業を始める前に自分がやってる作業のファイル名を確かめることから始めて下さい。」

 ワードもエクセルもパワーポイントも検索もレポートも、ほんとに仕事で必要になったら、いくらでも上達出来る。大事なのは、「ほんとに必要」だと思えるか、やらされてやるんじゃなくて、自分から必要を感じて取り組めるか、そういうハートの部分だと思っている。それが無かったら、経験値を増やすための授業なんてお金を払って受けるほどの価値はない。

 こんな基本的なところで気持ちが留まってるものだから、僕はいつまでも先生らしくなれないみたい。

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 でも、普通ならこういうことを自分の中に飲み込んで、表立ってお説教みたいなことを言わないのがミヤギ君の在り様なんだよねぇ。それを、こうやって言わずにおれなかったのは、また今年も終わりが近づくにつれ、生徒のみんなが好きになったからなんだと思う。

 大体、そういうタイミングで授業は終わって行くのだ。

 みんな、しっかりネ!!