2016年3月 5日(土)

チップより歯車

 谷病院、昨日から今日にかけての検査入院、検査技師K下さんとの会話で出て来た話。

 チップより歯車・・・

 K下さんが以前いた病院では睡眠外来の患者さんが大量にいて、徹夜勤務が沢山あった。体調も狂うし、それでも必死にやっているのだが、それが評価されるわけでもなく、自分はシステムに組み込まれたチップに過ぎないような状況だった。それが、谷病院に来たら、チップというよりは病院の歯車の一つになって、しかもその歯車の直系が大きいのが嬉しい。

 彼女の表現は、この通りじゃないんだけど、意味合い的にはこういうこと。

 そうか、そうなのか・・。

 僕らが若い時には「組織の単なる歯車の一つに過ぎない」ことを拒絶して、もっと人間らしく!っていう感じだった。

 チャップリンの映画で歯車の間に引き込まれてウンサラモンサラしていた彼の姿は、現代社会の、人を人として扱わない管理社会への皮肉的表現。

 それが今では、チップよりは歯車がいいという、デジタルとアナログの比較になって、アナログな歯車はデジタルなチップよりはるかに人間的に見えてるってこと・・・

 そうだよねぇ。チップよりは歯車の方がいい。

 でも、歯車だって、歯数の制限で動きの決められた、言わば部品なわけ。

 もっとアバウトで、どう転んでもソレモアリ・・、人間はチップじゃないし、歯車じゃないし、超奇怪で素敵な生き物。

 かわいそうな次の世代にこれは伝えないといけないことかも知れない。

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 朝に7時には谷病院を出、家に戻ってやっと、確定申告の作業に入った宮城君なのであった。