2016年9月17日(土)

徒然無か〜

 経験の少ないアルバイトの若者4人に説明しながら所作を敷く美術館ホールでの朝一の作業。

 所作台というのは日本舞踊で舞台に敷くもので、その上に土足で上がろうものならホールの人や先輩に怒鳴られるくらい神聖視されているもの。

 「説明しながら」と言ってるけど、正直僕自体もいつもは河渕さんたちの言うままに動いているだけで、その場その場で寸尺を計算して応用を利かす力はない。だから今日の作業は先日河渕さんからもらった図面を元にした作業なのネ。

 その代わり!僕の場合はアルバイトの若者と言えど、これからやろうとしていること、今やってること、その結果どういう舞台が出来るかということを要所要所で説明しながらやるので、彼等はとても動きやすいはず。今回のような役割はこれで4回目ぐらいだろうけど、毎回当初の時間見積もりよりはるかに早く済んでしまっている。

 経験がものを言い、その経験の下に人を動かすという世界では、動かす人が言葉少なという傾向があって、初心者は訳が分からないまま右往左往するところがあるのだが、僕は万年初心者であるがために、しっかり協力してもらうためにもちゃんと説明する。

 僕のパソコンの方の仕事で、「宮城さんの話は分かりやすい。」と言ってもらえるのも実は僕自身がいつまでも初心者感覚だからなんだろうなぁ。自分が知ってることは相手も知っていて当然という感じでカタカナの専門用語をペラペラ並べる気持ちにはとてもなれないんだよネェ。

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 さぁ、所作を敷き終わり雪布を仕込めば僕のやることは何もない。明日は僕はこの舞台にはいなくて河渕さんが入るから、あまり余計なことはしない方がいいのだ。

 でも、何があるか分からないから今日はこの舞台にいるようにというのが河渕さんの指示。

 トジェンナカ〜。

 トジェンナカ・・というのは、僕のふるさと長崎の一部でよく聞いた方言で、やることが無くて身を持て余してるような時の気分を表現する言葉。ちゃんと調べてはいないけど、きっとトゼンというのは徒然と書くんじゃあるまいか・・。

 つれづれなるまゝに、日ぐらし硯に向かひて、心にうつりゆくよしなしごとをそこはかとなく書き付くれば、あやしうこそ物狂ほしけれ。

 ってやつネ。

 今日の僕はこの状態・・

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 リハ前のツレヅレナル時間に楽屋口でたばこを吸っていたら、土砂降りの中を胡蝶さんたちが車で帰って来た。これは大変!!車から楽屋口の短い距離でもずぶ濡れになりそうな雨。

 楽屋口には過去の利用者の皆様の忘れ物の傘が沢山あるので遠慮なくそれを持っていって開いて差し出した。

 「まぁ、ありがとうございますぅ〜。」

 あぁ、この人達はいい人だ。

 音響の助っ人で来ていたE川さん(?)は、天使かと思うように表情のきれいな人だし、こういうことに気が付けるのもトジェンナカ状態だからかも知れん。

 明日のこの舞台がつつがなく進みますように。